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助成金受賞者インタビュー

第一回 2025年度助成金受賞者インタビュー

大阪大学免疫学フロンティア研究センター
准教授
三上 統久 様


研究題目:
CD8陽性Tregの分化機構解明と新規CD8陽性Treg細胞治療の開発

三上統久様

Q. 今回の研究の一番のポイント(強み)を、一般の方にも分かりやすく教えていただけますか?

制御性T細胞(Treg)という免疫を抑える働きを持つ細胞を使って、病気を治すことを目指した研究を行っています。自己免疫疾患や移植後の拒絶反応など、免疫の異常によって引き起こされる疾患に対して、新しい治療法を作ることを目標にしています。特にCD8陽性という新しいタイプのTregを用いた細胞治療につながる基盤技術を構築できたことが、本研究の大きな成果です。
今回の発表会では、骨髄移植の際に投与した他者(ドナー)の細胞が、移植を受けた患者さんの体を攻撃してしまう副作用:GvHD(移植片対宿主病:Graft-versus-Host Disease)と呼ばれる反応に対する治療効果について動物実験で確認したという結果を紹介させていただきました。

Q. 今回の助成を通じて、当初の計画からどのような進展、または新たな発見がありましたか?

新しいタイプのTregを作製することができました。特に、CD8陽性という新しいタイプのTregを細胞治療に利用可能なレベルまで作製できたこと、それを使って実際に動物モデルでの治療効果を示したことは、大きな成果だと考えています。

三上様インタビュー

Q. 今後の研究活動における、次なる挑戦や目標についてお聞かせください。

今後の活動については、やはり臨床での疾患治療へつなげていくことが大きな目標になります。特にTregに関する研究は、発表の段階から、患者さんへ還元していく段階へ移っていかなければならないと考えています。我々の研究は、世の中からの注目度も高く、責任を持って進めていかなければならないと感じています。最終的に目指しているのは、患者さんの治療につながるところまで発展させることです。そのために研究を行っていますし、本気で取り組んでいます。
臨床応用に必要な臨床研究や臨床試験・治験には非常に多くのお金がかかります。特に細胞治療の治験は製造コストや管理コストも大きく、前臨床の段階から莫大な費用が必要になります。日本では、資金を集めることが大きな課題の一つです。そのため、ベンチャー企業を設立して海外で治験を進めるケースもありますが、Tregという日本で発見された細胞に関する臨床応用を日本でも進めていきたいという思いはあります。海外と比較すると、日本でのTreg細胞治療の臨床応用は遅れており、その背景には、規制面の問題や細胞治療に対する心理的ハードルの高さ、資金を集める仕組みの問題があると考えています。規制については少しずつ整備が進んでおり、柔軟な対応ができる環境は整ってきました。資金に関しては、公的資金の柔軟な利用や、日本の事業会社の方々から大きな支援がいただける環境・制度が整うなどすれば、本当に大きな助けになると考えています。

Q. 当財団の助成金は、使い勝手やサポートなど、どのような点で魅力を感じられましたか?

契約手続きについても非常にスムーズで助かりました。企業からの助成金の場合、契約などに時間がかかることもありますが、その点については特に問題なく進めることができました。
また、助成いただいたタイミングが非常に良かったと感じています。当時は、細胞治療の開発に関わる中で、ベンチャー企業側での研究から、アカデミアでの研究環境に戻ってきた最初の年、あるいはその翌年という時期でした。そのようなタイミングでご支援いただけたことは、本当にありがたかったです。研究を進めるための重要なタイミングでご支援いただけたことに、改めて感謝しています。

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