助成金受賞者インタビュー
第一回 2025年度助成金受賞者インタビュー
大阪大学大学院 医学部 シグナル探求学講座
准教授
志甫谷 渉 様
研究題目:
GPCRome可視化技術の構築と創薬応用
Q. 今回の研究の一番のポイント(強み)を、一般の方にも分かりやすく教えていただけますか?
私は、創薬標的となる膜タンパク質の構造について研究を行っています。これまで、個々のタンパク質を詳細に解析することに特化して研究を進めてきました。そのタンパク質にどのような薬剤が作用するのか、また、どのようなメカニズムで作用するのか、その構造を明らかにする研究を行ってきた点に大きな強みがあります。
今回は、その技術を基盤として、幅広い物質とさまざまな受容体との相互作用を一括で評価できる仕組みの構築に取り組んでいます。これまで培ってきた個々のタンパク質の詳細な解析技術と、多数の相互作用を評価する技術を組み合わせることで、新しい薬剤候補との相互作用の同定から、構造と機能の解析までを一貫して行えることが、本研究の大きな強みだと考えています。
Q. 今回の助成を通じて、当初の計画からどのような進展、または新たな発見がありましたか?
今回の研究では、新しいアッセイ系の開発に取り組んでおり、そのためのレポーターベクターの作製を行いました。実は、当初設計していたものがうまく機能しなかったのですが、助成いただいた資金を活用しながら、レポーター遺伝子の設計を見直し、改良を重ねることで、機能する状態まで持っていくことができました。
Q. 今後の研究活動における、次なる挑戦や目標についてお聞かせください。
今回の研究によって、アッセイ基盤そのものは構築できてきました。今後はいよいよ、数百から数千種類に及ぶ実際の薬剤候補や、腸内細菌由来の分泌物などのサンプルについて、GPCR活性(Gタンパク質共役型受容体)を網羅的に評価していきたいと考えています。また、慶應義塾大学にクライオ電子顕微鏡が導入されたため、実際に同定した相互作用について、構造解析によって詳細を明らかにするところまで進めたいと考えています。
Q. 当財団の助成金は、使い勝手やサポートなど、どのような点で魅力を感じられましたか?
制限がほとんどなく、研究の状況に応じて自由に使うことができた点が非常にありがたかったです。また、大学を通した管理では一般管理費が徴収される場合もありますが、今回は個人管理で進めることができたため、研究費をより柔軟に活用できた点も大変良かったと感じています。